空と海と大地と福士くん

※ネタバレ注意です

ぼくは明日、昨日のきみとデートする

好き度：　★★★★☆　4.0／5.0点

小松菜奈に、恋をした。

2017年2本目の映画はまだ2016年公開の映画。予告で「お！なんか映像が良いな～」「時間SFなのか？」とちょっと気になっていたり、三木監督作は「陽だまりの彼女」はそんなに好きじゃなかったけどそういえば「くちびるに歌を」は大好きだったしな～なんて気持ちもあったのですが、なんとなくスルーしていた本作。Twitterなどでまわりの評判がけっこう良かったり、年始はまだ観たい映画が公開されていないということもあって、じゃぁこの機会にと、観てきました。

主演は仮面ライダーフォーゼと飛ぶ鳥を落とす勢いの小松菜奈ちゃん

三木監督作品で好きなのはこれ。逃げ恥のガッキーもよかったけど、このふてぶてしいガッキーも良いよ！(・∀・)

てなわけで、「ぼく明日」ですが、感想をひとことで言うと、「好き」です！(・∀・)

あらすじを映画.comさんから拝借すると、

美大生の高寿は、通学電車の中で見かけた女性・愛美に一目ぼれする。勇気を出して声を掛け、会う約束を取りつけようとする高寿だったが、愛美はなぜか泣き出してしまう。意気投合した高寿と愛美は付き合うことになり、幸せな日々を過ごしはじめるが、そんなある日、高寿は愛美から信じられないような秘密を明かされる。

とのことで、その信じられないような秘密ってのがまぁ予告でだいたいは察してましたが時間SF要素でした。その時間SF要素は簡単に言うと、小松菜奈はこの世界と並行する別の世界からきた人間で、その世界はこの世界と並行なんだけど、時間の流れが逆、なんだとか。つまり仮面ライダーフォーゼにとっての明日は小松菜奈ちゃんの昨日。仮面ライダーフォーゼにとっての昨日は小松菜奈ちゃんにとっての明日なのだそうです。。んでその別の世界とこの世界は5年に一度だけ重なり合って、5年に一度30日だけ会えるんだとか。この映画はお互いが20歳で出会うわけでです。たしかそんな設定でした。

まず最初に良くなかった点を書いちゃうと、ぶっちゃけね、やっぱり作劇としてはちょっとうまくないんですよ(笑)前半の甘い甘い初恋シークエンスは、たしかに甘くて画面もみずみずしくて素晴らしいんだけど、なーんかやたらとナレーションがノイズになったり、これみよがしの伏線ですよ～みたいな大げさなカットをポンと入れてきたり。もうちょっとスマートにならないものか…┐(´д｀)┌ﾔﾚﾔﾚ　なんて思いながら観ていたのも確かであります。あと、SF設定なんですが、やっぱどうしても気になるところもあって。まずどうやって平行世界をこいつらは行き来してるの？０時になる瞬間はどこに消えてるの？とか、その小松菜奈が教えてくれるもう一つの世界の説明がまったくといっていいほどないし（あの言い方だと、まだまだ多くの人間がこっちの世界にきてるということか？）、まぁいっちゃうとご説明不足で都合主義的だと思いますん。それをいっちゃぁおしまいか(´Д｀)　あと、けっこう大事だと思うんですが、少女の小松菜奈のもとにフォーゼがやってきて、何年後に○○で僕に会ってくれ、って言ったから20歳でこの2人は会うことが出来たわけだけど、これほんとに行くか？とか、フォーゼもフォーゼで駅で声をかけるとは限らなくね？とかさ、思ったりもしたけど、よく考えれば、少女小松菜奈のもとに会いに来たのは超イケメンの福士くんで、電車にいたのは美人な小松菜奈なんですよね。ブスなら声をかけないし、汚いおじさんの言うことは聞かない。そうだ、美男美女だからこそ成立した設定なのだ！！とちょっとだけ納得できました(笑)

てなわけで、良かったところですが、まず撮影ですね。ほんとに素晴らしかったですよ。三木監督作はみずみずしい明るい画面がこれまで印象的でしたが、今回は暗い画面、薄暗い画面がほんとに良かったですし、ここぞというときの決め画の構図感もとてもよくてね。忘れがたいシーンがしっかりある映画でした。白眉はやはり、アバンタイトル。タイトルは物語中盤に出るんですが、まだ薄暗い明け方の電車から降りてきた小松菜奈とことを理解したフォーゼが駅のホームでキス、からのタイトル！というあのシーンの構図感、もろもろのタイミング。あそこはほんとに忘れがたいシーンになりました。甘いデートシーンのみずみずしさはさすがなもので、俳優2人がとにかく魅力的に見える撮影でしたし、京都がよかったね！(・∀・)

あとはね、やっぱり小松菜奈なんですよね。正直に言うと、この映画の小松菜奈演じるキャラクターがまじで大好きになってしまったのです。この小松菜奈の性格がほんとにドタイプ（元カノに似ている〈小声〉…）で、この映画の感動のキモってやっぱり後半の視点の転換だと思うんですが、もうね、今までフォーゼ視点で進んでたこれまでの物語が彼女の視点に移った瞬間から、ちょっとどうかと思うくらいに切なさで涙がこみ上げてきましたね…。正直、前半の伏線の張り方が下手なのでまぁわかっちゃいるんだけど、でもこれまでの物語で僕は完全に小松菜奈に恋をしているため、もうね、彼女はどれほどのものを背負って、どんな思いで、最後の日あの電車に乗ったのだろう…。とか考えるとまじでもう切なさで死んでしまいそうになりまして、もう納得のいかなSF設定なんてどうでもいい！( ；∀；)この子を抱きしめてあげなきゃ( ；∀；)と、もうこの怒涛の視点の転換で完全に持っていかれました。思えば同じ三木監督作の「陽�
�まりの彼女」、僕はもうSF設定のムリさが気になって気になって嫌いな映画だったんです。でもこの「ぼく明日」は、設定が気になりつつも、完全にドラマで感情を揺さぶられたのです。この成長っぷりはなんなんだ三木監督！！

まんまとダウンロードしてしまった「ハッピーエンド」

なんというか、恋愛ってもう幸せMAXの時って、とてつもない全能感があるじゃないですか。この幸せは永遠に続くに間違いないと。でも、永遠に続く保証は当然ないわけじゃないですか。未来でも、過去でもなく、今を守るために、今を生きなきゃいけないのにね…。なんて、なんだか個人的には過去を思い返して猛省してしまった映画でもありました。恋愛の刹那的な美しさと切なさが詰まった、キツイけど、美しく、どこか前向きな気持ちにもなれる（気がする）映画でございました。