無限最強伝説
無限がもっと評価されるべき7つの理由
キャンプの季節になってきた。
いや、もう遅いくらい。
本当は9月がいい。
高地の10月はもう肌寒く、冬仕様でないと眠れない。
キャンプ場にやってきて指定されたサイトに、テントの釘を打ち込む。
他のサイトはみんなメンズが頑張っているが
なぜかここだけは女子たちだけががんばっている。
一緒にやってきたあの人といえば…・。
「じゃ、やっとけよ」
「俺、釣りに行ってくるから」
「後でチェックするから、しっかりやれよ」
「でないと夕飯抜きで張り直しだぞ」
ひどい。
本当にひどい。
なぜ、こんな人と一緒にキャンプに来たのか。
ちょっとだけ悲しくなりながら、でもいつものことと諦めて、手際よくテントを組み、薪を組み、火を起こして鍋をかける。
何度もキャンプに来ているから、すべて分かっていて、用意するものも、手際よく使えるように小分けにして、下ごしらえまでできている。
だけど、やっぱり。
こういうことはメンズにしてほしい。
頼り甲斐のある姿を、惚れ惚れしながら見つめていたい。
なんでもかんでもやってくれて
「ほら、ここ」
「座って」
「ほら、これ」
「食べて」
なんて、一度でいいから言われてみたい。
そしたら、もうイチコロなのに。
でも、あの人は、キャンプに来ると、それでなくても幼い顔がさらに幼くなって、まるで小学生の子供のよう。
はしゃいで、はしゃいで、はしゃしで。
転げ回って、飛び跳ねて・・。
疲れ切って、先に寝ちゃう。
「ねえ、ミノ」
「お願いだから、一度でいいから、一緒に準備して」
・・・と何度も言いかけるが、やはりそんなことは夢のまた夢。
そんなことを思いながらぼ〜っとしていると、なぜか背中が熱くなってきた。
「あつっ」
「あっつつっっ」
大きくなる声。熱くて。背中が痛くて。
「ど〜したの!」
「火っ」
「火がついてる」
「Tシャツに火っ」
一緒に来ていた女子が、慌てて背中に火をかけた。
「だめじゃない」
「こんなTシャツ着てきちゃ」
私の不注意。ついつい、可愛くて新品だから、と選んだTシャツ。だが、無残にもそれは、背中に丸い穴があき、ずぶ濡れになってしまった。
「しょうがない」
「着替えるか…」
「大丈夫?火傷してない?」
「うん、大丈夫」
「ちょっと痛いだけ」
そう言ってはみたが、痛かった。
薬を塗ってくれる友達。
そこにミノはいない・・・。
定番のカレーができあがったころ、メンズたちが帰ってきた。
釣ってきたヤマメを串にさし、塩焼きにする。
それだけじゃ、つまらないので、フライにもする。
結局ミノは
「大物を釣った」
と誇らしげな顔をするだけで
釣ってきた魚をさばきもせず
「ふんっ」
「たのんだぞっ」
と腕を差し出すだけ。
大きなキャンプチェアーにどっしりと腰をかけ、メンズたちと笑いあってコーラを飲んでる。
キャンプで・・なぜコーラ。
焼肉で、なぜコーラ。
ビールじゃなく、なぜ、コーラ。
いつも思う。
私の手には、500mlのスーパードライ。
もう、頭にきてごくごく飲み干し、次の1本。氷をいっぱいに入れたジャーの中から取り出した。氷で冷やしたスーパードライは、冷蔵庫で冷やしたそれより、数倍おいしい。
それにしても、他のサイトは、綺麗なのに、どうしてこのサイトはいつもこんなに汚いのか。
他のサイトは、もう優雅にコーヒーを飲んでるのに、どうしてこのサイトは、これからカレーなのか。
他のサイトは、朝も早く撤収も済んでいるのに、どうしてこのサイトは、これから、焼肉なのか。
普通、キャンプ場の朝食は、トーストとコーヒー。ご飯ものなんて食べない。匂いもださない。強い火も起こさない。
最初から最後まで、変わってるテントサイト。
おかしなサイト。
浮きすぎているサイト。
目立ってる。
見られてる。
羨望の眼差しで、見つめられている。
なぜならそこに、ミノがいるから。
あの笑顔。釘付けにならな人なんていない。
それにまた、腹がたつ。
「ああ、どうして」
「どうして普通でいられないの?」
でも、それがホントは好き。
だから、好き。
普通じゃないから、楽しくて
普通じゃないから、飽きない。
思い出す。
昨日・・・の夜のこと・・・。
これだけで、1ヶ月は生きていけるかも…。
昨日は……。
月はなく、星がいっぱいに瞬いていた。幾千もの星たち。真っ暗な空が、その星のきらめきで白くなる。
キャンプファイヤーに、みんなが出かけていったその後。疲れて残った二人。互いにキャンピングチェアーに腰を下ろし、なんとはなしに、炎を見つめている。
その時、一瞬、視線が絡んだ気がした。
炎を挟んで、向こうにいるあの人と、自分。
キョリがあるのに、こっちを見つめた、そんな気が、一瞬した。
蛇に睨まれた蛙のように、動けなくなる。
下も向けない。
下を向いたら、その視線に気づいて意識してると思われる。
だか
、そのまま、まっすぐを見る。
まるで勝負するみたいに。
炎から立ち上る青いゆらめきが、その視線を断ち切ろうとする。
でも、それを透かすように、強いヒカリが互いを突き刺す。
そんな気がした1分30秒。
炎。
人間の源。
炎を見ると、皆真実を語る。
炎の前で、嘘はつけない。
炎の前で、視線は燃える。
瞳に、その炎が映し出される。
絡んだような気がしたそんな二つの視線。それは、動けない躰のまま、いろんなところを彷徨い始めた。
「ねえ…」
「何」
「あの…」
「何」
「だから…」
「何」
「・・・・・・・・」
「一度くらい、魚さばいて!」
はははは〜
無理〜〜
お前がやれ
ずっとやれ
ああ残念。
ぜひ、ミノ様で〜というリクエストいただき
書いてみましたが
最後どうしても美しくできませんでした
恥ずかしすぎて。
さて、お相手のイムジャは
いったいどなたでしょう?
今度こそ
夜の炎に絡む視線からの
キャンプミノ物語をww
マジメに・・・
書いてみたいものだ。
自称キャンパー。
自称はらわた取り名人。
自称、炎大好き女。
この人の趣味と経験は、無限大。
髪と服に、枯葉付けて帰るのも大得意。ww
では、昼のショーとストーリでした。
蕎麦蕎麦〜
お腹すいた〜
蕎麦〜
ああ、テントの中。
躰が痛い…。