錯乱とは違うのだよ

 

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引っ越してきた先のご近所さんは、変人揃い。
無理に近所付き合いなんてしなくていいじゃん、
家に引きこもってホラー映画観てようぜ！
したら巻き込まれねーんだしさぁ。
ダメ人間はそう思う。

 

高倉は刑事だった時に、得意の心理戦に持ち込もうとして手酷いミスを犯します。
その事件をきっかけに警察を辞職、今は大学教授になってはる。

妻の康子、犬のマックスとの生活を新天地で始めようと、高倉は中古の家を購入。

新興住宅地ではない住宅地。
引っ越しの挨拶をしに行ったのに、一軒目の田中家（おばちゃんと老いた母の二人暮らし）では、けんもほろろに追い返され、
二軒目の西野家はどことなく違和感を感じるようなご家庭。

高倉は大学で「日野市一家消失事件」を知り興味を持ちはる。
両親と兄が消え、一人生き残った妹は錯乱状態で、迷宮入り…と言うか事件なのか失踪なのかもわからない、そんな事件。

高倉は刑事時代の後輩・野上と共同戦線を張ることに。

 

唯一の生き残り本多早紀に早速コンタクト。
早紀が言うには、あの時母親も父親も兄も、自分の知らない「誰か」と密に接触していたような気がする…と。
そしてその「誰か」に、早紀は見上げられていた記憶があるらしい。

誰かって、誰やねん？
そしてどこから見ていてん？

高倉が帰宅すると、隣の西野が娘の澪とともに上がり込んでました。
「西野のこと嫌な奴言うてたやん」
「意外と良い人やった」掌返しの康子。

 

康子、料理が得意なのはええけど、それ以外に大した趣味も持ってない様子。
そんな康子に接近する西野。

高倉・野上は本田家の隣人が「水田」と言う家族だったことを突き止めるが、彼らもまた何処かに消えてはるやん？

高倉に西野澪が声をかける。
「あの人お父さんじゃないんです。
全然知らない人なんです」

どういうこっちゃねーーーん？

康子は康子で、コソコソと誰かに電話をしているじゃない。
まるで本田家の消えた家族のデジャヴ。

高倉は気付いてしまう。
高倉家と西野家の位置関係が、水田家と本田家の位置関係と同じと�
��うことに。

高倉から相談を受け、水田家（空き家）を捜査に行った野上は、そこで５体の遺体を発見してしまった。
内訳＝本田家の消えた家族３人＆水田家の夫婦…。

単身本田の家に乗り込む野上。
免許証写真の西野と、そこにいる西野が全くの別人だと、野上は知ってしまう！

二件隣の田中家が爆発炎上。
刑事の谷本から田中家の家族と野上の焼死体が発見されたことを教えられる高倉。

本田早紀に西野の写真を見せるが、こんな人は知らないと言われてしまい、偽水野＝西野説は瓦解。

西野家では、本当の西野家の主人と兄は殺され、母親もヤク中にされてはった。
澪が家族の遺体の処理を淡々とこなしているねん。
澪の母は西野に歯向かうが結局殺されてしまいはる。

あっさりと母親を手にかけておきながら、
「なんで僕がこんなことしなくちゃいけないの？
犯罪者になっちゃうじゃない」
と怒鳴り散らす西野…。

澪だけでは遺体の処理ができないので、康子にも手伝わせることに。
薬のせいですっかり思考力を奪われ西野の言いなりになっていた康子は、一瞬躊躇しながらも遺体処理に力を貸してしまう。

谷本が西野家に乗り込んでくるが、あえなくアデュー。
だから一人で行動しちゃダメって口を酸っぱくして言うてるでしょうが！

味方が次々消えていき、孤軍奮闘の「単なる被害妄想な人」に見られても仕方ない立ち位置に追い込まれた高倉。

 

西野の家に乗り込み康子を見つけ出す。
谷本も倒れている…。

そこに西野が現れ、高倉と西野の間で揺れ動く康子。
西野は銃で制圧しようとするが、
「どうせお前には何も出来ない、人の手を汚させて自分の手を汚さない卑怯者」的なことを高倉がズバリ指摘！
良し勝った！と思われたところからの康子裏切りーー。

薬物を打たれ意識が朦朧としている高倉。
西野は新しい家を求めることにします。
家族も増えたしね。

途中立ち寄ったもう人の気配もない建物で、
西野は新しい獲物を捜すことを宣言。

高倉の飼い犬マックスが邪魔だから、
マックスは殺しちゃいましょう、高倉さん、お願いしますよ。
銃を渡す西野。

高倉はマックスに向けていた銃口をいきなり西野に向け、ズドンズドン。
西野はあえなく死んでしまいます。

開放され半狂乱になって喜ぶ澪。
そして康子は高倉に抱きつきながら、吠えるように絶叫を上げ続けるのでした。
何度も何度も何度も何度も。

　　　　　　おしまい

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原作はこちらから

公式→

人類のサンプリングの一環としての概念の収集ってことかな。

「それ、もらうよ」

奪われていくのは、人が当たり前に持っている概念。

「家族」「仕事」「所有」「自分」そして、「愛」

概念を奪われた人間は、その概念そのものを失う。

家族という概念を奪われた者は、家族というものがわからない。姉でさえも君の悪い他人になってしまう。

嫌い、ムカつく、ウザい、そんな概念を奪われたものは、人類みな兄弟と言い、所有という概念を奪われたものは、あらゆる欲が無くなり、まるで天使のような穏やかさを見せる。

これは、概念を取られると錯乱するという安易な話ではなく(もちろんひとりからたくさんの概念を抜いてしまえば腑抜けてしまうか、バランスを欠いて錯乱するだろうが)、なんの概念を取られることでどんな反応が出るのかというところが面白いんだと思う。

前川ワールドらしい、イキウメらしいＳＦ感。

侵略が始まり、人類に生き延びる道はなく、侵略者側の夫も死ぬのだと言う。

それなら、私が先に逝ってもいい？その意味を、殺してくれと夫の手を自分の首にかけた彼女の思いを、陳腐だと言えばそれまでだけど、やっと自分のそばにいて自分だけを見てくれる夫になってくれたのに、死が二人を分かつという、それに耐えられなくなる彼女の思いはわからなくもない。

殺してくれという願いが叶わないなら、この思いの根源を、夫に奪ってもらえば良い。それがきっと自分を殺してくれる。

そして、彼女が差し出した「愛」という概念。

人類の行く末は？

わかりやすく着地するので、拍子抜けと思わなくはなかったけど、「三度目の殺人」みたいに、なんにも解決しないモヤモヤ感を抱えて帰ることが無い分、とても面白かった。

二度三度見るような感じではないけど（笑）、WOWOWの予兆は見てみようかなと思う。←あ、WOWOW加入したんだー。子供の事情見たくて

チラッとしか出ない神父さんの東出くんが、聖書を開きながらつらーっと愛を語るシーンが、なぜかこわかった(￣▽￣;)

でっくん、こーゆー役うますぎる（笑）

穏やかに語り、微笑みを浮かべ、愛とは何かを説法してるのに、こわいねん！すげえ！←ほめてる

東出くんも予兆に出るらしいので、たのしみ。

三度目の殺人も見たんですが・・・感想を記事にする気力がないです(￣▽￣;)

解決しないとか、わかりにくいとかを横に置いておいても、ちょっとつらい。

カメラアングルとか、微妙な複線とか、いいなと思うところはあるんだけど、総合評価として、難解というカテゴリにすら入らない、びっみょーな作品になっちゃった印象。

是枝さんとは気が合わないのかなあ。よくわからん。

役者陣の芝居は良かったと思います。みんなよかった。穴がない。福山さんひたすらカッコイイ。

それだけに、もう少しなんとか・・・と思わざるを得ない。まあ、賛否両論だろうな。

散歩する侵略者も、わかんないという人いたしな。

難しいな。映画つくるって。